令和7年度の狂犬病ワクチンはいつからいつまで?意外と知らない接種期間

いよいよ3月に入り、動物病院が繁忙期に入ります。
当院でも、来週よりイベントが続々始まりますので、ご都合のよろしい会場で是非ご参加くださいませ。

さて、年に1回の狂犬病ワクチン接種ですが、意外と知られていないのが「接種期間」。
ここでは狂犬病ワクチンのルールをお話していこうと思います。

【確認】狂犬病ワクチンの義務について

当院のコラムでは啓蒙活動として狂犬病ワクチンの義務については何度か発信しているので、まずはざっくりと義務のおさらいを。

・お住まいの自治体にわんちゃんを登録する。
・年に1回狂犬病ワクチンを受けさせる。
・登録時に発行される鑑札をつける。
・狂犬病ワクチン接種後の手続きで発行される注射済票をつける。

狂犬病予防法では、上記の四つの義務があります。
鑑札はマイクロチップで代用できる場合もあり、また変更事項がない限りわんちゃんの一生が終わるまでは特に手続きはありませんので、毎年対応が必要なのは狂犬病ワクチンの接種と注射済票の発行・装着ということになります。

狂犬病ワクチンの接種期間

狂犬病ワクチンの接種期間は、狂犬病予防法施行規則に次のとおり定められています。

狂犬病予防法施行規則 
第十一条 (予防注射の時期)
生後九十一日以上の犬(次項に規定する犬であつて、三月二日から六月三十日までの間に所有されるに至つたものを除く。)の所有者は、法第五条第一項の規定により、その犬について、狂犬病の予防注射を四月一日から六月三十日までの間に一回受けさせなければならない。ただし、三月二日以降において既に狂犬病の予防注射を受けた犬については、この限りでない。
2 生後九十一日以上の犬であつて、三月二日(一月一日から五月三十一日までの間にその犬を所有するに至つた場合においては、前年の三月二日)以降に狂犬病の予防注射を受けていないもの又は受けたかどうか明らかでないものを所有するに至つた者は、法第五条第一項の規定により、その犬について、その犬を所有するに至つた日から三十日以内に狂犬病の予防注射を受けさせなければならない。
3 前二項の場合において、狂犬病の予防注射を受けさせなければならない犬を所有者以外の者が管理するときは、第一項中「所有される」とあるのは「管理される」と、「所有者」とあるのは「管理者」と、前項中「所有する」とあるのは「管理する」と、それぞれ読み替えるものとする。

わかりにくいですが、抜粋すると「狂犬病の予防注射を四月一日から六月三十日までの間に一回受けさせなければならない。」ということになります。
(条文の通り、飼いはじめなど臨時に打たなければいけない場合もあります。)

「え!7月に打ってる!」という方もいるかもしれません。
ルール上はそうなっているので、自治体から催促のお手紙が来ることはあるようですが、基本的には7月でも年1回定期に打っていれば問題になったという話は聞いたことがありません。
(もちろん6月までに打つのが良いとは思いますが。)

ここでもう一つポイントがあります。

狂犬病予防法施行規則 
第十二条 (注射済票の交付) 抜粋
5 毎年三月二日から同月三十一日までの間に実施する狂犬病予防注射について、第二項の規定に基づき市町村長が交付する注射済票は、翌年度のものとする。

かみくだくと、3月2日以降3月31日までにに実施した狂犬病予防接種について、発行される注射済票は翌年度のものとなるということです。
年度始まりは4月1日ですから、4月に打った場合と同じ注射済票が受け取れるということになります。

ようするに、3月2日を過ぎると、翌年度の狂犬病ワクチン接種ができるということです。
4月~6月と指定することで動物病院が混雑し、飼い主様の利便性が損なわれるので、こういった対策をとっているのであろうと思います。
(残念ながら意外と知られていない気もしますが。)
なので、当院も3月からイベントを行っています。

動物病院の待ち時間について

少し話がそれますが、動物病院のイメージを聞くと、「待ち時間が長い」というお声を頂戴します。
予防医療であれば健康なわんちゃん猫ちゃんを相手にするのでそこまで時間はかからないのですが、そこに一般診療であったり検査であったりというものが入るとどうしても時間がかかってしまうことがあります。
どこの動物病院でもお待たせしないように努力はしているのですが、結果として待ち時間が生じてしまうのはある程度どうしようもない部分があるのです。

だからこそ、最も繁忙である4月を避けて3月、又は5月6月に予防をするのも一つの選択肢かもしれません。
個人的にはフィラリアの予防もお勧めしたいので、蚊が出る前、マダニが出始めるころ、3月に予防をしておくのがお勧めです。
当院では、予防の内容やタイミングについてLINEで無料相談も承っておりますので、お悩みのことがあればお気軽にお声がけください。

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また、当院の予防接種イベントでは予約優先制をとっており、枠も余裕をもって設定しているため、そちらもご検討いただけますと幸いです。

毎年のことだけど悩みのタネにもよくなる予防医療、当院が飼い主様、わんちゃんの不便の軽減に役立てば幸いです。

気になる点、不明点はいつでもお気軽にお問い合わせください。