毎日の散歩は、わんちゃんの健康維持に欠かせない大切な時間です。
運動不足の解消だけでなく、ストレス発散や飼い主さんとのコミュニケーションにもつながります。
しかし、散歩コースによっては思わぬ感染症や寄生虫のリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。
普段何気なく歩いている道にも、わんちゃんの健康を脅かす要因は存在しています。
ここでは散歩コース別に考えられるリスクと、その対策について解説します。
※本稿ではあくまでも想定されるリスクについての解説となります。
特定の散歩コースを危険と断じるものではございません。
\リスク低減のためには予防が肝心です。/
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公園での散歩に潜むリスク
公園は多くの犬が集まる人気の散歩スポットです。
広い芝生や土の地面で自由に歩けるため、わんちゃんにとっても楽しい環境でしょう。
しかしその一方で、排泄物が完全に回収されていないことも少なくありません。
そこから回虫や鉤虫といった腸内寄生虫が土壌に残り、感染する可能性があります。
これらの寄生虫は下痢や体重減少を引き起こし、特に子犬では重症化することもあります。
また、公園の草むらにはノミやマダニが生息している場合もあります。
マダニはバベシア症など命に関わる病気を媒介することがあり、注意が必要です。
住宅街の散歩コースでも油断は禁物
人通りが多く舗装された住宅街は一見安全そうに思えます。
しかし、ここにも感染症リスクは存在します。
電柱や壁には多くの犬がマーキングを行います。
尿を介して感染するレプトスピラ症などの細菌感染症が広がる可能性があります。
レプトスピラ症は発熱や食欲不振、重症化すると腎不全を引き起こすこともあります。
人にも感染する病気であるため、わんちゃんだけでなく飼い主さんの健康にも関わります。
体感で恐縮ですが、少し感染のお話を聞くことが増えてきた病気でもあります。
河川敷や自然の多いコースの注意点
河川敷や山道など自然豊かな場所は、のびのびと散歩できる魅力があります。
しかし、感染症や寄生虫のリスクは特に高くなります。
湿った草地や水たまりはマダニの好む環境です。
また、野生動物が持ち込んだ寄生虫や病原菌が存在することもあります。
フィラリアを媒介する蚊も多く発生しやすい環境です。
フィラリア症は心臓や肺に寄生虫が住み着く病気で、命に関わる重大な疾患です。
予防薬を投与していなければ、感染リスクは非常に高くなります。
散歩中の接触による感染リスク
散歩中に他の犬と挨拶をすることはよくある光景です。
しかし、直接触れ合うことで感染症が広がることもあります。
犬パルボウイルス感染症や犬ジステンパーウイルス感染症などは、接触や環境を介して感染します。
これらは混合ワクチンで予防可能な病気ですが、未接種の場合は重症化しやすく危険です。
咳が続くケンネルコフなども、散歩中の接触で広がることがあります。
予防医療がリスクを大きく下げる
散歩コースごとにさまざまなリスクが存在しますが、適切な予防を行うことで多くは防ぐことができます。
混合ワクチン接種は重篤な感染症からわんちゃんを守ります。
狂犬病予防接種は法律で義務付けられており、人と社会を守るためにも重要です。
フィラリア予防薬の定期投与は、命に関わるフィラリア症を防ぐ唯一の方法です。
ノミ・マダニ対策を継続することで、皮膚トラブルや感染症のリスクも大幅に減らせます。
【余談】その他のお散歩リスク
感染症以外にも気にするべきことはたくさんあります。
他のわんちゃんとのケンカ、交通事故などはイメージしやすいかもしれませんが、誤食なんかも要注意です。
特に最近はやりのフレキシブルリードや、たまに見る極端に長いリードなどはとっさの対応ができないので避けた方が無難でしょう。
【散歩中誤食の例】
- タバコ
- 包装紙やビニール
- 食べ物
- 落ち葉や植物
尚、誤食しかけている時に無理にとるとわんちゃんもムキになってしまうことがあります。
冷静に落ち着いて回収しましょう。
誤食をしてしまった場合は無理に吐きださせようとせずすぐ動物病院へ行ってください。
「何を」「いつ」「どのくらい」食べたかわかると治療しやすいです。
食べ残しがあるようであれば動物病院に一緒にもっていきましょう。
この辺りは自宅等での誤食の場合も同様です。
誤食を避けるには普段のトレーニングも大切ですし、口輪などもうまく活用してくださいね。
安心して散歩を楽しむために
散歩はわんちゃんにとって欠かせない日常の楽しみです。
しかし、その裏には目に見えない危険が潜んでいます。
どの散歩コースを選んでもリスクをゼロにすることはできません。
だからこそ、日頃の予防が最も重要な対策となります。
ファミリー動物病院では、狂犬病予防接種、混合ワクチン、フィラリア予防、ノミ・マダニ対策をまとめて受けられる予防接種イベントを実施しています。
愛犬と毎日の散歩を安心して楽しむためにも、この機会に予防医療をしっかり整えましょう。
予防こそが最大の健康管理です。