先日、コーナン様主催の「ワンワン運動会2025」に参加させていただきました。
そちらで昨年ぶりに肥満度チェックをしたのですが、やはり太り気味のわんちゃんは一定数いる印象でした。
わんちゃんの体型は毛がある分どうしてもわかりにくくなりがち。
結果をお伝えすると驚かれることも少なくありません。
そこで、今回はイベントの結果のご報告と、わんちゃんの体型チェックについて書いていきます。
「ワンワン運動会2025」結果報告
ワンワン運動会は大盛況で、数百頭のわんちゃんをチェックさせていただきました!
わんちゃんの体型をざっくり分けると、以下の通りでした。
| 体型 | 割合 |
|---|---|
| 痩せ気味 | 14% |
| 標準 | 47% |
| 太り気味 | 39% |

昨年実施した際は太り気味がやや優勢だったのですが、今回は比較的標準の子が多い印象。
運動会だけにアクティブなわんちゃんが多かったのかもしれませんね。
ただ、それでも4割ほどは太り気味。
そして、痩せ気味のわんちゃんも結構いるのが気になります。
肥満/痩せすぎだとどうなる?
わんちゃんの体型は、見た目の可愛さだけでなく「健康寿命」に直結する非常に大切な要素です。
飼い主さんの多くは「ちょっとぽっちゃりしている方が可愛い」と感じるかもしれませんが、実はそれが将来的に病気のリスクを高めてしまうこともあります。
肥満のリスクとは?
肥満とは、体脂肪が過剰に蓄積された状態を指します。
人間と同様に、犬にとっても肥満は万病のもと。特に以下のような健康リスクが高まります。
- 関節や腰への負担
体重が増えると、その分だけ関節や腰にかかる負担も大きくなります。特に小型犬(チワワ、トイプードル、ダックスフンドなど)は、関節疾患を起こしやすい傾向にあります。 - 糖尿病・高脂血症
肥満によりインスリンの働きが悪くなり、糖尿病を発症するリスクが上がります。また、脂質代謝の異常により高脂血症になると、血管や肝臓にも悪影響を及ぼします。 - 呼吸器・心臓への負担
脂肪が首やお腹周りに付くことで、呼吸がしにくくなり、心臓への負担も増します。特に短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)はもともと呼吸が苦手なので注意が必要です。 - 寿命が短くなる可能性
複数の研究で、肥満犬は標準体重の犬に比べて平均寿命が1.5〜2年短いという結果も出ています。長く健康に一緒に過ごすためにも、適正体重を保つことが大切です。
痩せすぎのリスクとは?
一方で、「太っていないから安心」と思っていても、痩せすぎにも注意が必要です。
見た目にスリムで可愛く見えても、以下のような問題が隠れている可能性があります。
- 栄養不足・筋肉量の低下
必要な栄養が十分に摂れていないと、筋肉が落ちて代謝が低下します。結果的に体力がなくなり、疲れやすくなることも。 - 免疫力の低下
体脂肪が少なすぎると、免疫を維持するためのエネルギーが足りず、感染症にかかりやすくなります。 - 被毛・皮膚トラブル
タンパク質や脂質が不足すると、被毛がパサついたり、皮膚が乾燥してかゆみを引き起こすこともあります。 - 内臓疾患のサインである可能性
急に痩せてきた場合は、腎臓病、消化器疾患、ホルモン異常などが隠れているケースもあります。食欲や排泄の様子も併せて観察することが大切です。
ご家庭でできる体型チェック方法
動物病院では「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」という指標で体型を判定します。
これは見た目と触れた状態から、体型(特に脂肪の付き具合)を9または5段階で評価します。
尚、今回のイベントでは5段階で評価していました。

※上記は環境省の資料です。(元ページ 環境省のぺージが開きます。)
図のように、くびれ、おなかの吊り上がり、肋骨の触れ具合などで1(痩せ)~5(肥満)までの5段階評価を行います。
毛の多い子はくびれやおなかの吊り上がりも触って確かめてみてあげてください。
定期的に触ってあげることでできものなどの早期発見にもつながります。
予期せぬ痩せすぎ・太り気味を防ぐためにできれば最初は獣医師の指導のもと、BCS3を目指しましょう。
BCS3になったらその状態を記憶して、維持できるように意識をしておくのがお勧めです。
良い時の体重を記録しておけば、定期的な体重測定でも異常の発見がしやすくなります。
体型維持のためのポイント
体型は「食事」と「運動」のバランスで決まります。
特にシニア期に入ると代謝が落ちるため、若い頃と同じ食事量だと太りやすくなります。
- おやつはカロリーを計算して与える
- 1日の食事量をグラム単位で管理する
- 定期的な散歩や遊びを習慣づける
- 月に一度は体重を測る
そして一番大事なことを言います。
運動だけで痩せるのは超難しいです。
多分飼い主さんの方が先にバテてしまうと思いますが、あくまでも食事の管理を主にして考えていくことをお勧めいたします。
また、食事管理ですがいきなり減らしたり増やしたりするのも危険です。
こと動物においては「何かを変えるときは少しずつ」を原則にしてください。
まとめ
「ワンワン運動会2025」で見られたデータからも分かるように、肥満傾向のわんちゃんは意外と多いです。
しかし、飼い主さんの少しの工夫で体型はしっかり改善できます。
健康な体型を保つことで、病気の予防・寿命の延長・毎日の活力アップにつながります。
わんちゃんの体型、ぜひこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。