肉球で性格がわかる!?肉球の秘密【獣医師監修】

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わんちゃんのどこが好き?と聞かれると上位に入るであろう「肉球」。
見た目もかわいらしく、触るとぷにぷにで気持ち良いですよね。

コラムを書く際にいろいろと調べものもするんですが、「肉球占い」なるものが世の中にはあるそうです。
人間でいうと、手相占いというところでしょうか。
肉球の形と性格の相関について科学的な根拠は当然何もないのですが、ちょっとおもしろい話ですよね。
今回のコラムでは、そんな謎多き肉球についてちょっと掘り下げてみたいと思います。

そもそも肉球とは?〜見た目のかわいさに隠された高機能パーツ〜

肉球(英語では「paw pad」)は、わんちゃんや猫ちゃんの足の裏にある、厚みのある皮膚組織のこと。
見た目はぷにぷにしていますが、実は非常に複雑で高性能な構造をしています。

外側は角質がしっかりとした丈夫な皮膚で覆われており、その下には脂肪層と結合組織がクッションのように重なっています。
この構造によって、地面からの衝撃を吸収し、足への負担を減らす役割を果たしています。

わんちゃんや猫ちゃんが音を立てずに歩けるのも、肉球のおかげ。
また、滑りにくくするための“グリップ”としても働いており、ジャンプやダッシュの瞬発力を支えています。
さらに、わんちゃんや猫ちゃんの汗腺はほとんどが肉球にしか存在しません。
緊張したり、暑かったりすると、肉球からわずかに汗をかくこともあります。
診察台の上で緊張しているわんちゃんの足跡がペタペタとついているのを見たことがある方もいるかもしれません。
あれは、まさに「緊張の汗」なのです。

肉球の色・形・質感には個性がある

肉球と一口に言っても、実はわんちゃんによってかなり違いがあります。
ピンク系、黒系、まだら模様など色のバリエーションも豊か。
被毛の色や遺伝的背景によって決まることが多く、例えば白い毛のわんちゃんはピンク系、黒い毛のわんちゃんは黒っぽい肉球を持つ傾向があります。

また、子犬の頃は柔らかくピンク色でも、成長とともに角質が発達し、だんだん黒く硬くなっていくこともあります。
肉球の形にも個性があり、丸っこくふっくらしている子もいれば、やや長細くすっきりしている子も。
散歩の頻度や歩く地面の種類(アスファルト・芝生・砂利など)によっても摩耗の仕方が異なり、「その子らしさ」がにじみ出る部分でもあります。

肉球でわかる健康のサイン

肉球をチェックするにあたり、占いのような遊び心も良いですが、獣医師の視点から見ると、肉球は「健康のバロメーター」でもあります。

  • ひび割れや硬化 → 乾燥や摩擦の影響の疑い
  • 赤みやただれ → アレルギーや刺激物の接触の疑い
  • 色の変化(ピンクから黒へなど) → メラニンの変化や炎症の疑い
  • 舐めすぎて湿っている → ストレスや痛みの可能性

こうしたサインを早めに見つけることで、病気の予防や早期治療につながります。
特にシニア期に入ると代謝が落ち、再生能力も下がるため、乾燥によるひび割れが増える傾向にあります。
若い頃よりもこまめな保湿ケアを心がけましょう。

ケアの基本は「清潔+保湿+観察」

肉球ケアは特別なことではなく、日常の中に取り入れるのが理想です。
お散歩の後に濡れタオルで優しく拭き、汚れや砂を落とす。
その後、犬猫用の保湿クリームを薄く塗ってあげるだけでも、かなり違います。

特に冬の暖房シーズンや、夏のアスファルトが熱くなる時期は要注意。
乾燥や熱ダメージから守ることで、健康的な肉球を保てます。

また、指の間や肉球のすき間に毛が伸びている場合は、定期的にカットを。
滑り止め効果が落ち、転倒やケガの原因になることもあります。
もしひび割れや赤みが目立つ場合は、自己判断せず動物病院へ相談しましょう。

肉球クリームの注意点について

肉球クリームに限った話ではないのですが、例えば人間用の保湿クリーム等をわんちゃんに使うのはお勧めいたしません。
塗ることによって直接問題が生じる可能性も否定できませんし、気になると舐めてしまうこともあるでしょうから、ワンちゃんに塗ることを前提として作られたものを使用するべきだと思います。

「肉球クリーム作りワークショップ」開催!

ファミリー動物病院では、こうした肉球ケアを楽しく学び、さらに保湿に役立つクリームを作成する、「肉球クリーム作りワークショップ」を開催しています。

ペットと一緒に過ごす時間がもっと豊かになる、人気のイベントです。
詳しくはイベントページをご覧ください。

まとめ

肉球には、見た目の可愛さだけでなく、健康状態・生活環境・性格(?)まで映し出す不思議な魅力があります。
占いのように楽しみつつ、日々の観察とケアで、愛犬・愛猫の「肉球ライフ」をもっと健やかにしてあげましょう。

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