お盆期間中に起こりがち!犬の誤飲・誤食リスクとは?帰省や旅行中に気をつけたいポイント【獣医師監修】
お盆は家族や親戚が集まり、普段とは違う環境で過ごす機会が増える季節です。
「少し目を離したすきに食べ物を食べてしまった」
「帰省先で知らない人がおやつをあげてしまった」
「仏壇のお供え物を食べてしまった」
このような誤飲・誤食は、お盆期間中に動物病院へ寄せられる相談の中でも少なくありません。
犬は人間よりも好奇心が旺盛で、「食べていいもの」と「食べてはいけないもの」の区別ができません。
今回は、お盆期間中に特に注意したい誤飲・誤食のリスクと、万が一食べてしまった場合の対応について解説します。
※当院ではお盆期間中のご相談対応は行っておりません。実際に誤飲誤食が発生した場合は急ぎ近隣の動物病院様へお問い合わせください。
なぜお盆は誤飲・誤食が増えるの?
お盆には普段とは違う生活環境になります。
例えば、
- 来客が多い
- 食卓に料理が並ぶ時間が長い
- 帰省先で犬が自由に過ごす
- 子どもがおやつをあげる
- 荷物やお土産が床に置かれる
など、犬にとって「魅力的なもの」が身近に増えるためです。
また、飼い主様以外の方は「これくらいなら大丈夫だろう」と善意で食べ物を与えてしまうこともあります。
その結果、誤飲・誤食につながるケースが少なくありません。
お盆に特に注意したい食べ物
① 仏壇のお供え物
意外に多いのが、お供え物を食べてしまうケースです。
例えば、
- おまんじゅう
- ようかん
- おはぎ
- 果物
- 落花生
- 乾物
などがあります。
果物ではぶどうやレーズンは犬にとって急性腎障害を起こす可能性があるため、特に注意が必要です。
また、包装紙やラップごと食べてしまうと、腸閉塞の原因になることもあります。
② ごちそう料理
お盆には豪華な料理が並びます。
しかし、人の料理には犬にとって塩分や脂肪分が多く含まれています。
特に注意したいものは、
- 鶏の骨
- 焼き鳥の串
- 天ぷら
- 唐揚げ
- 焼肉
- ソーセージ
- ハム
脂肪分の多い食事の摂食は急性膵炎の原因になることがあり、串の誤食や骨の摂食は消化管を傷つける危険があります。
③ チョコレート・お菓子
親戚や子どもが集まると、お菓子も増えます。
チョコレートに含まれるテオブロミンは犬にとって有害で、
- 嘔吐
- 下痢
- 興奮
- けいれん
- 不整脈
などを引き起こす可能性があります。
また、キシリトール入りのお菓子やガムも重度の低血糖や肝障害を起こす危険があるため注意しましょう。
④ アルコール
ビールや日本酒などを飲む機会も増えます。
飲み残しのグラスを舐めたり、お酒入りのお菓子を食べたりすることでアルコール中毒になることがあります。
犬は人よりも少量で中毒症状を起こすため、十分注意しましょう。
⑤ 玉ねぎ・長ねぎ・にんにく
すき焼きやバーベキューなどで使用されることの多い食材です。
犬が食べると赤血球が壊れ、溶血性貧血を起こすことがあります。
加熱していても安全になるわけではありません。
食べ物以外にも危険なものがあります
誤飲・誤食は食べ物だけではありません。
お盆には、
- 線香
- ろうそく
- 数珠
- ビニール袋
- 保冷剤
- 割り箸
- 爪楊枝
- お土産の包装材
- 乾燥剤
などを誤って飲み込むケースもあります。
特に竹串や爪楊枝は消化管穿孔(穴があいてしまう)の原因になることがあり、非常に危険です。
もし食べてしまったら?
「様子を見よう」と判断してしまうのは危険です。
まずは、
- 何を食べたのか
- どれくらい食べたのか
- いつ食べたのか
を確認し、できるだけ早く動物病院へ相談してください。
食べた物の包装や写真があると診断の参考になります。
また、ご家庭で無理に吐かせようとするのは危険です。
食道や気管を傷つけたり、誤嚥を起こしたりする恐れがあるため、自己判断で吐かせようとすることは避けましょう。
帰省や旅行先で気をつけたいこと
帰省先では、普段犬を飼っていないご家庭もあります。
そのため、
- 食べ物を犬の届く場所に置かない
- お供え物は犬が近づけない場所へ
- 小さなお子様には勝手におやつをあげないよう伝える
- ゴミ箱にはフタをする
- 食事中は犬を別室やサークルで過ごさせる
などの対策が有効です。
また、旅行先では近くの動物病院や夜間救急病院を事前に調べておくと安心です。
お盆中は動物病院の診療日も確認しておきましょう
お盆期間中は休診日や診療時間が通常と異なる動物病院もあります。
万が一の際に慌てないためにも、かかりつけ動物病院の診療予定や、近隣の救急対応病院を事前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
お盆は楽しいイベントが多い反面、犬にとっては誤飲・誤食のリスクが高まる時期でもあります。
特に、お供え物やごちそう、お菓子、串、包装材などは思わぬ事故につながることがあります。
「少しだけだから」「元気そうだから」と様子を見るのではなく、危険なものを口にした可能性がある場合は、早めに動物病院へ相談することが大切です。
お盆期間中も愛犬が安全に楽しく過ごせるよう、ご家族皆さまで環境を整え、事故を未然に防ぎましょう。