
「うちの犬、元気だから動物病院に行っていません」
犬を飼っているけれど、動物病院に行ったことがほとんどない。
「病気になったら連れて行けばいい」
そう考えている飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、元気で食欲もあり、普段と変わらない犬を見て「病院に行く必要はない」と思うのは自然なことです。
しかし、動物病院は病気やケガをしたときだけに行く場所ではありません。
狂犬病予防接種や混合ワクチン接種、フィラリア、ノミ・マダニなどの予防をはじめ、病気になる前だからこそできることがあります。
今回は、犬が元気なときにも動物病院を利用する理由について解説します。
動物病院は「病気を治す場所」だけではありません
動物病院というと、
「具合が悪くなったら行く」
というイメージを持っている方も多いでしょう。
しかし、犬の健康管理では「病気になってから治療する」だけでなく、「病気になる前に予防する」ことも重要です。
例えば、犬を飼っていると次のような予防が必要になります。
- 狂犬病予防接種
- 混合ワクチン接種
- フィラリア予防
- ノミ・マダニ予防
これらは、犬が元気に過ごしているからこそ、病気になる前に取り組むものです。
つまり、犬にとって動物病院は「病気になったときに行く場所」だけではなく、「健康を守るために利用する場所」でもあります。
病気がなくても動物病院に行く理由
狂犬病予防接種を受けるため
日本では、犬の飼い主様には狂犬病予防法に基づく犬の登録と、原則として年1回の狂犬病予防注射を受けさせることが求められています。
狂犬病は、発症すると人も犬もほぼ助からないとされる感染症です。
日本では現在、犬を含む動物の国内での発生は確認されていませんが、海外では現在も発生が続いています。
「日本では狂犬病がないから必要ない」と考えるのではなく、国内への侵入やまん延を防ぐためにも、予防接種を継続することが大切です。
混合ワクチン接種について相談するため
犬には、狂犬病とは別に、犬同士などで感染するさまざまな感染症があります。
混合ワクチンは、こうした感染症の予防を目的として接種されます。
ただし、すべての犬に同じ接種スケジュールが適しているとは限りません。
年齢、生活環境、他の犬との接触機会、野生動物を介しての感染リスク、過去の接種歴などによって考え方が変わることがあります。
「毎年なんとなく打っている」という方も、「しばらく打っていない」という方も、一度かかりつけの動物病院で相談してみるとよいでしょう。
フィラリアを予防するため
フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫による病気です。
犬の体内に入ったフィラリアが成長すると、心臓や肺の血管などに影響を及ぼすことがあります。
フィラリア予防薬は、フィラリア症の発症を防ぐために適切な時期に使用する必要があります。
「蚊を見かける時期だけ予防すればいい」というものではなく、地域の気温や蚊の活動期間などを考慮して予防期間を決める必要があります。
ノミ・マダニを予防するため
ノミ・マダニは、犬の皮膚に寄生するだけではありません。
吸血による皮膚トラブルのほか、さまざまな病原体を媒介することがあります。
特にマダニは、犬だけでなく人にも影響する感染症を媒介することがあります。
「室内で暮らしているから大丈夫」「冬は必要ない」と自己判断するのではなく、生活環境や散歩の状況などを踏まえて予防について相談することが大切です。
「元気だから大丈夫」では気づきにくいこともあります
犬は、人間と違って「ここが痛い」「少し具合が悪い」と言葉で伝えることができません。
また、動物は不調を隠すことがあります。
そのため、飼い主様から見て普段どおりに見えていても、体の中で何らかの変化が起きている可能性があります。
もちろん、すべての犬に頻繁な検査が必要というわけではありません。
しかし、年齢や生活環境に応じて、獣医師に健康状態を確認してもらうことには意味があります。
特にシニア期に入った犬では、若い頃とは健康管理の考え方が変わってくることもあります。
「何か症状が出てから」ではなく、「今の健康状態を知る」という目的で動物病院を利用することも選択肢の一つです。
動物病院に行ったことがない犬は、病院が苦手になることも
もう一つ、元気なうちに動物病院へ行くメリットがあります。
それは、犬に動物病院という環境を経験してもらうことです。
動物病院に行く機会が「病気になったとき」だけだと、犬にとって、
「病院に行く=痛いことや嫌なことが起こる」
という経験になってしまう可能性があります。
一方、健康なときにも予防などを目的に動物病院へ行っていれば、病院という環境そのものに少しずつ慣れていくきっかけになります。
動物病院が苦手な犬については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「病院に行くほどではない」ときこそ相談してみる
「病気かどうか分からないのに病院へ行っていいの?」
このように思う飼い主様もいるかもしれません。
しかし、動物病院は「病気と診断されるためだけ」の場所ではありません。
「この予防は必要?」
「ワクチンはいつ受ければいい?」
「フィラリアの予防はいつから?」
「ノミ・マダニの予防は必要?」
「最近少し太った気がするけれど大丈夫?」
こうした疑問を相談することも、犬の健康管理の一部です。
病気になってから慌てて調べるのではなく、普段から犬の健康について相談できる場所を持っておくと安心です。
動物病院に行くきっかけは「病気」じゃなくてもいい
犬を飼い始めたばかりの方にとっては、動物病院に行くタイミングが分からないこともあるでしょう。
そんなときは、まず一年間の予防予定を整理してみましょう。
狂犬病予防接種はいつ受けるのか。
混合ワクチン接種はどうするのか。
フィラリア予防はいつから始めるのか。
ノミ・マダニ予防は必要なのか。
こうした予防を整理すると、自然と動物病院へ行くタイミングが見えてきます。
「犬の予防って、何月に何をすればいいの?」という方は、こちらの記事も参考にしてください。
犬の予防は何月に何をする?狂犬病・ワクチン・フィラリア・ノミ・マダニの年間予防カレンダー
予防のために動物病院を利用するという選択肢
動物病院に行くのは、犬が病気になったときだけではありません。
病気を防ぐため。
感染症から守るため。
犬の健康状態を確認するため。
そして、犬と動物病院との関係を作っておくため。
こうした目的でも、動物病院を利用することができます。
特に、これまで動物病院に行ったことがない犬の場合は、いきなり病気やケガで受診するよりも、
元気なうちに予防をきっかけとして動物病院を経験しておくことも大切です。

予防をきっかけに、動物病院へ行ってみませんか?
「うちの犬は元気だから、まだ動物病院に行かなくてもいい」
そう思っている飼い主様も、一度愛犬の予防について考えてみてください。
狂犬病、混合ワクチン、フィラリア、ノミ・マダニ。
犬が健康に過ごすためには、病気になる前から考えておきたいことがいくつもあります。
ファミリー動物病院では、狂犬病予防接種や混合ワクチン接種、フィラリア予防薬の処方などの予防を受けていただける予防イベントを各地で開催しています。
「動物病院に行くのはちょっとハードルが高い」という方も、まずは予防を考えるところから始めてみませんか。
開催場所や日程、予約方法などの詳しい情報は、ファミリー動物病院のイベントページをご確認ください。