フィラリア予防薬を飲ませ忘れた!どうすればいい?【獣医師監修】

ファミリー動物病院 > コラム > フィラリア予防薬を飲ませ忘れた!どうすればいい?【獣医師監修】

「フィラリアの薬を飲ませるのを忘れてしまった!」
飼い主さんから、動物病院でもよくご相談いただく内容のひとつです。

毎月決まった日に飲ませているつもりでも、旅行や仕事、体調不良などでつい忘れてしまうことがあります。
では、フィラリア予防薬を飲ませ忘れてしまった場合、どうすればよいのでしょうか?
今回は、フィラリア予防薬を飲ませ忘れたときの対応と、そもそもなぜ毎月の予防が必要なのかについて解説します。

そもそもフィラリア予防薬は何をしているの?

フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫によって起こる病気です。
犬が蚊に刺されることでフィラリアの幼虫が体内に入り、その後、成長して最終的には心臓や肺動脈に寄生します。
感染が進行すると、咳や運動を嫌がる、疲れやすくなるなどの症状が見られ、重症化すると命に関わることもあります。
ここで大切なのが、フィラリア予防薬は「蚊に刺されるのを防ぐ薬」ではないということです。

多くのフィラリア予防薬は、蚊から犬の体内に入ったフィラリアの幼虫を、成長する前の段階で駆除することで感染を予防します。
そのため、蚊に刺される可能性がある期間は、決められた間隔で継続して予防することが重要なのです。

フィラリア予防薬を飲ませ忘れたら?

まず、飲ませ忘れたからといって、慌てて薬を飲ませるのはやめましょう。
予防薬の種類や、どのくらいの期間が空いてしまったのかによって対応が異なるためです。

飲ませ忘れに気付いた場合は、自己判断でまとめて投与するのではなく、使用している薬の名前と、最後に投与した日を確認したうえで、動物病院へ相談することをおすすめします。
「1回くらいなら大丈夫」とそのまま放置してしまうよりも、気付いた時点で確認することが大切です。

なぜ「毎月」が大切なの?

フィラリア予防では、「毎月決まった時期に投与する」ことが重要です。
例えば、毎月1日に投与すると決めている場合、カレンダーやスマートフォンに登録しておくと忘れにくくなります。
また、予防薬を処方してもらった際に、次回の投与日まであらかじめ確認しておくのもおすすめです。

フィラリア予防は、薬を1回飲ませれば終わりというものではありません。
蚊が活動する期間中、継続して予防することで感染のリスクを抑えていきます。

「薬を吐き出した」「飲んだかわからない」場合は?

薬を飲ませたものの、すぐに吐き出してしまった。
あるいは、フードに混ぜたら食べ残してしまい、本当に薬を飲んだのかわからない。

このようなケースもあります。
この場合も、自己判断でもう一度薬を飲ませるのではなく、使用した薬の種類と状況を確認して、動物病院へ相談しましょう。

薬によっては、投与後どの程度の時間が経過したかによって対応が変わることがあります。
「たぶん飲んだと思う」という状態でも、まずは確認することが安全です。

去年の予防薬が余っているけど使っていい?

「去年のフィラリア予防薬が何錠か余っているから、今年も使おう」と考える方もいるかもしれません。
しかし、これも自己判断で使用することはおすすめできません。
犬は成長や加齢、体重の変化によって、適切な薬の種類や投与量が変わることがあります。
また、薬には有効期限があり、保管状態によっては品質に問題が生じる可能性もあります。
前年の薬が残っている場合は、捨ててしまう前に動物病院へ相談し、今年の予防について確認しましょう。

「冬だからフィラリア予防は必要ない」は本当?

フィラリア予防では、「蚊がいなくなったから、もう薬を飲ませなくていい」と考えてしまうことがあります。
しかし、予防薬をいつまで続けるかは、単純に「蚊を見かけなくなった日」で決めるものではありません。
フィラリア予防薬は、前回の投与以降に感染した幼虫を駆除するという考え方で使用されるため、蚊が活動していた期間を考慮して、適切な時期まで予防を続ける必要があります。
地域によって蚊の活動時期も異なるため、自己判断で早く終了せず、動物病院で確認しましょう。

当院では通年の予防もおすすめしています。

予防薬を飲ませ忘れないための工夫

フィラリア予防は継続が大切だからこそ、「忘れない仕組み」を作ることも立派な予防です。

例えば、

  • スマートフォンのカレンダーに毎月登録する
  • 家族の目につくカレンダーに投与日を書く(トイレなどお勧め)
  • 毎月決まった日や曜日に投与する
  • 投与したら記録を残す
  • 動物病院で次回の投与時期を確認する

などがあります。

特に多頭飼育の場合は、「誰が飲ませたのかわからない」ということも起こります。
家族で飼育している場合は、投与した人が記録を残すようにすると安心です。

フィラリア予防は「病気になってから」では遅い

フィラリア症の怖いところは、感染しても初期には目立った症状が出ないことがある点です。
「元気だから大丈夫」と思っていても、知らないうちに感染が進んでいる可能性があります。
フィラリア症は、感染してから治療するよりも、感染を予防することが非常に重要な病気です。
だからこそ、毎月の予防薬を「忘れないこと」が愛犬の健康を守ることにつながります。

まとめ

フィラリア予防薬を飲ませ忘れてしまった場合、最も大切なのは「そのままにしないこと」です。
1回忘れたからといって自己判断で薬をまとめて飲ませたり、逆に何もせず放置したりするのではなく、使用している薬と最後に投与した日を確認し、動物病院へ相談しましょう。
また、

  • 薬を吐き出した
  • 飲ませたかどうかわからない
  • 予防薬が余っている
  • 投与期間が空いてしまった
  • いつまで予防すればよいかわからない

といった場合も、自己判断せず確認することをおすすめします。

フィラリア症は、予防できる病気です。
「毎月薬を飲ませる」という一見簡単なことを確実に続けることが、愛犬をフィラリア症から守るための大切な習慣になります。
今年の予防はきちんとできていますか?

もし投与を忘れてしまった場合や、予防について少しでも不安がある場合は、早めに動物病院へご相談ください。
日程は限定されますが、今年の予防薬が足りない場合は当院のイベント等もご活用ください。

コラム一覧へ戻る