あなたの愛犬は大丈夫?わんちゃんの「夏太り」【獣医師監修】
8月9月と、二つのイベント内で肥満度チェックをさせていただきました。
予想を上回るご来場を頂き、延べ500頭程度のわんちゃんをチェックさせていただいた感じです。
まだ今後も行いますが、雑感ということで途中報告をば。
尚、イベント情報はLINEでも配信しています。
8月24日(土)25日(日)服部緑地公園でのイベント
服部緑地でお会いしたわんちゃんの体型は下記のような感じでした。
なんと54%が太り気味。
理想体型の子も多いですが、半分以上のが肥満傾向。
逆に痩せ気味の子は少なかったです。
9月7日(土)浜寺公園でのイベント
浜寺公園でお会いしたわんちゃんは下記のような感じでした。
こちらは49%が太り気味。
ただ、理想体型の子も多く半々といった印象でした。
とはいっても太りすぎも併せたら半分以上が肥満~肥満傾向ですからね。
油断ならない結果といってもよろしいんじゃないでしょうか。
イベント内で気がついた事
イベント内で気づいた事、体感ですが肥満傾向のわんちゃんの半数くらいが「やっぱりな」というリアクション。
そして半数くらいが「嘘やん」みたいにびっくりされるリアクションでした。
後者がほぼだとイメージしていったので、割と愛犬が肥満傾向にあることを気づいていらっしゃる方は多いようです。
また、今回全員の飼い主様ではありませんが、太る原因について何名様かヒアリングをさせていただきました。
そして傾向として出てきたのは「夏太り」の存在です。
夏太り?
「夏太り」はそのまま夏に太ること。
ここ数年、殺人的な暑さが続いている影響で夏の日中はほぼ活動できない状況が続いています。
路面の温度もわんちゃんを火傷させてしまうほどになり、たくさんのわんちゃんが日中は散歩を控えなければいけません。
その為、散歩の頻度が減る=運動量が減るために太ってしまうわんちゃんが出るということですね。
なんだか風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話ですが、今回の肥満度チェックではまさにその原因が当てはまりそうな子が多かったです。
すごく当たり前の話をすると、太る原因は基本的には摂取カロリー>消費カロリーの状態が続いている事です。
というお話をすると殆どの方が言われるのは、ちゃんとペットフードの袋に書いてある量をあげているということです。
この給与量については理想体重を元に計算されているのであながち間違いではなく、この給与量を守ることでおやつ等のイレギュラーを除き摂取カロリーは一定になります。
が、これらはあくまで目安であって重要なのは季節や運動量、性別、避妊去勢の有無などによって消費カロリーが変動することです。
夏に運動量が低下することで消費カロリーは低下します。
しかしながら、食べる量は一定です。
こういった事情があり、必ず太るとは申しませんが、太る可能性は少し高くなるということですね。
また、そもそも理想体重というのは骨格や個体によっても異なってしまいます。
大切なのは、ペットフードの給与量目安を基準として愛犬のベストな給与量を探していくことだということですね。
夏太りを起こさないためには
と、色々とお話しましたがベストなペットフードの給与量なんて探すのは大変です。
また、申し上げた通り季節や状況によって変動したものを考えるのは事実上不可能です。
どないせぇちゅうねん、と言われそうですが、とるべき対応で一番重要なものは「モニタリング」です。
わんちゃんは「最近太ってきてん…」みたいな人間くさい悩みを持ちません。
だからこそ飼い主様が定期的に体型・体重をチェックして太っているようならダイエット、痩せているようならちょっと肉をつけてもらう、などのコントロールをしてあげる必要があります。
運動のみで上記のようなコントロールを行うのは不可能ですから、やはりその時その時におけるベストな給与量を体型という答えの中から探していくことで、肥満や痩せすぎの予防になるはずです。
モニタリングの手順
1.現状の把握
まずは現状を把握しましょう。
具体的には今の体重とBCSです。
今痩せるべきか、太るべきか、維持をすべきかを判断しましょう。
BCSは上記のような5段階で判断します。(画像クリックで拡大。せっかくなので猫もつけてます。)
この3の時の体重が理想だと考えていただければ。
4、5の場合は痩せなければいけません。
ダイエットは1週間当たり体重を1%程度減らすくらいの速度で、急激に行わないでくださいね。
1、2の場合は逆にもうちょっと食べないとですね。
当院ではカロリー計算も用意しているので、よかったら使ってください。
とはいえ最初はわかりにくいと思いますので、当院のイベントやかかりつけのお医者さんで現状をチェックしてもらうのがおすすめです。
2.現状への対策
現状が維持でいいなら一旦は今の生活で問題ありません。
痩せるも太るも何かしら対応が必要なのであればすぐ始めましょう。
ただ、可能であれば獣医さんと一緒に進める方がおすすめです。
痩せている、太っている原因が病気など他にある可能性もあるためです。
そういう意味でも一番最初の現状確認は獣医さんと一緒に行うのが良いでしょう。
3.チェック
あとは定期的なチェックの繰り返しです。
ダイエットならその成果を、維持なら変動がないかを。
変動は体重の方が数値化できるので管理しやすいです。
ここでも大きな変動があったら動物病院に行くようにしてくださいね。
健康の入口に肥満度チェックをご活用ください。
病気は予防、早期発見ができれば治る可能性は高くなり、回復速度も上がることが多いです。
ただ、日頃の健康管理としてすべきだといわれていることを全部こなすのは中々難しいですよね。
そこでまず一番手軽だと思われる体重管理から健康管理を始めてみませんか?
当院では、無料の肥満度チェックイベントをご用意しておりますので、是非一度ご来場いただき、何かの切欠にしていただけたらと思います。
イベント情報はLINEでも配信しています。