フィラリア・ノミダニなど予防を安く実施する方法【獣医師監修】

大切な家族の為の狂犬病・フィラリアなどの予防。
大事な事ですが、毎年だとコストが心配…
そこで、今回はコスト面に焦点を当ててコラムを作成しました。

毎年必要な予防・価格は?

一般的な予防、詳細は下記の通りです。
下記の価格は一例であって決まっているものではありません。
また、診察料等が別途必要になります。
※当院では診察料等追加の費用はいただいておりません。

【義務】狂犬病予防接種

わんちゃんを飼っていれば狂犬病予防接種は必須です。
これは法律で定められた義務ですので、きちんとしないと20万円以下の罰金に科せられる可能性があります。
一般的な動物病院では概ね3,000円弱だと思われます。

【ペットホテル等必須の場合あり】混合ワクチン

わんちゃん、猫ちゃん同士で伝染する病気を予防するワクチンです。
複数の種類があって、価格も様々。
たくさん予防できる方が高いことが多いです。
価格は一般的によく接種される5種以上のワクチンだと5,000円~、猫3種以上のワクチンだと4,000円~くらいかと思います。

ちなみに混合ワクチンで予防できる病気はペット保険が使えない事が多いです。
ペットホテル等でパンデミックになったら大変なので、サービスを利用するのに接種が必要なケースも多々あります。
また、子犬の最初の接種は短いスパンで実施します。

【やった方がいい】フィラリア

フィラリアという寄生虫を予防するお薬です。
正確には感染してすぐに殺すことで体内でフィラリアを増やさない薬になります。
蚊が媒介するので暴露機会も多いです。
フィラリアが増え、フィラリア症になると死亡することもあるため予防は殆ど必須です。
投与する薬の量が体重で変わります。
また薬品の種類も多く、犬種によって使わない方がいいものもあったり、剤形などによっても価格は変わります。
一カ月分1,000円前後~が多いですが病院によって大分違います。
また、投与前にフィラリアに感染していないかの検査が必要です。
だいたい2,500円程度必要です。

【やった方がいい】ノミ・ダニ

ノミはゴキブリじゃないですが一匹いたら30匹レベルで一気に増殖します。
また、マダニは人にも動物にも感染する致死的な病気(SFTS)を持っている危険な虫です。
これらが着くことは避けられませんが、即殺すことで増殖を予防できます。
こちらも投与する薬の量が体重で変わり、薬品の種類や剤形も多いです。
一カ月分1,500円前後~が多いです。

予防コストを下げる方法は?

1.オールインワン予防薬を使用する。

ノミダニ、フィラリア、はてはお腹の虫までまとめて予防する薬があります。
フィラリアやノミダニの薬は毎月投与のものが多く、予防金額の大部分を占めています。
それをまとめて一つの薬にしてしまえば、単体よりは高いですが、総合すると安くなることが多いです。
体重によって変わりますが、月2,300円~くらいが多いですし、投与の手間も2分の1なのでおススメです。

2.安い動物病院を探す

上記で価格を「~」とぼかした書き方をするのは、動物病院によって価格が違うからです。
動物病院は自由診療なので、ぶっちゃけ幾らでもいい話になります。
もちろんどこもぼったくっている訳じゃないのですが、例えば当院のように家賃がいらないとか高度な医療機器を備えなくてもいい場合はそのあたりに多少還元する事もできる訳です。
使う薬は同じですから、大きな問題はありません。
ただ、継続で通うことを考えると、いつもの動物達の様子を知っているかかりつけで予防した方が微妙な変化に気づきやすかったり、病院になれる機会に繋がったり等もちろんメリットもあります。

ただ、狂犬病予防接種は下げるのは難しいです。
当院は比較的安価で提供していますが、割と地域地域横並びの病院が多いので…

3.海外薬を個人輸入する※お勧めしません!!

書いといてなんですが、絶対にお勧めはしません。
日本に入ってくる動物薬には海外のメーカーのものが多いです。
なので、個人輸入代行をしている業者などもあります。
はっきり言って破格です。
ただ、薬なので当然副作用もありますし、どこまで信頼していい業者なのかも判断がつきません。
転ばぬ先の杖である予防が危険になっては本末転倒なので、何卒動物病院で予防していただければ幸いです。

4.キャンペーンを活用する。

動物病院では狂犬病のハガキが届きだす3月末頃を予防シーズンと位置づけ、キャンペーンを用意している事が多いです。
うまく活用すればコストダウンに繋がります。
尚、当院はイベントで実施しますので予防パッケージにすることで通年キャンペーンみたいな感じになってます。

そもそも予防は高いのか?

大前提として健康はプライスレスなので予防が高いか安いかという議論はあまり意味がない気もするのですが、予防価格が不当に高い訳ではないことだけはご理解いただきたいなと思います。
例えばアニコムさんの以前のデータでは混合ワクチンで予防できるパルボウイルス感染症の治療費一例は6万円弱でした。
もちろん症状によって前後しますが、混合ワクチンの値段を仮に5,000円、毎年注射としても12年分です。
安くありませんが、健康を守るためには大切だとご理解いただければと思います。

最後に

予防のコスト感、大切さなどについて何となく伝わりましたでしょうか。
大切な家族の健康や幸せを守るために予防を活用していただければと思います。

当院では狂犬病予防接種、フィラリアなどの予防をイベントにて実施しております。
比較的コストも低減できるよう努めておりますので、是非合わせてご活用ください。