【群馬】狂犬病ワクチン未接種のワンちゃんが人を咬んでしまった!どうなる?

先日、群馬県伊勢崎市の公園で小学生のこどもたちがワンちゃんに咬まれる事件がありました。
それだけでも大変なことなのですが、なんとこのワンちゃん、狂犬病ワクチンを接種していなかったそうです。

このコラムでは狂犬病について皆さんに理解しておいてほしいこと、実際にワンちゃんが人を咬んでしまったらどうなるのかをつらつら書いていきたいと思います。

狂犬病に関する義務

狂犬病コラムにも記載してますが、ワンちゃんを飼うと、狂犬病予防法第四条、第五条に基づき下記の義務を負います。

・市町村にわんちゃんを登録し、鑑札を発行してもらって鑑札をワンちゃんにつけておく
・年一回狂犬病ワクチンを受けさせて、市町村に注射済票を交付してもらって、ワンちゃんにつけておく

そして第二十七条には上記についてルールを守らない場合、20万円以下の罰金となる旨が定められています。

狂犬病は身近な病気

と法律のお話をしましたが、罰金があるから打とうね!って話ではありません。
群馬のお話に戻りますが、狂犬病はヒトを含む全ての哺乳類に感染する可能性があります。(もちろんネコちゃんとかも)
そして感染経路は狂犬病にかかった動物に咬まれることによって、唾液を通じて感染するそうです。
発症してしまえば有効な治療法はありません。

この群馬のワンちゃんが狂犬病に感染している可能性は限りなくゼロに近いとは思いますが、狂犬病はまだまだ身近な病気です。
実際、近いところでは平成18年、令和2年に海外で感染して日本で発症した事例があります。
また、日本と同じ狂犬病清浄地域であった台湾でも2013年に狂犬病の野生動物が確認されました。

狂犬病清浄地域はアイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムくらいであることを考えると地球規模では狂犬病ウィルスはそこら中にいます。
他人事と思わずに愛犬や身の回りの人を守るために必ず狂犬病予防接種を受けるようにしてください。
狂犬病ワクチンの直近の接種率はオフィシャルな数字で70%程度、これは100%であるべきです。

余談ですが日本では1000年程前から狂犬病を認識していたそうですが、江戸時代から本格的に流行したようです。
その後1800年代後半にはけっこうな流行が発生、1930年ごろから緩やかに収束に向かい、1957年の猫ちゃんを最後に狂犬病発生はなくなりました。

1950年に成立した狂犬病予防法によるワクチン接種の義務付けなどが果たした役割も大きいと思います。
今でも世界では毎年5万人以上の方が狂犬病で死亡しています。
長い歴史の中で手に入れた狂犬病に怯えずにかわいいワンちゃんと触れ合える環境を是非守っていただきたいと思います。

ワンちゃんはなぜ咬んだ?

正確なことはワンちゃんしかわかりませんが、犬が人を咬むことには様々な理由があります。
本能的に咬んでしまうこともあればストレスや恐怖から攻撃してしまうこと、興奮してやってしまうことも。
カミ癖のあるワンちゃんも結構いますが、ドッグトレーナーさんや獣医師に相談することで改善することも多いです。
気になることがあれば、うっかり人を咬んでしまう前にまずは専門家に相談するのがいいかもしれませんね。

子どもがワンちゃんに咬まれたら?

狂犬病ウィルスはおいといても他の菌やウィルスがいるかもしれません。
取り急ぎ5分以上流水で洗い流し、清潔なガーゼ等で圧迫、心臓の位置より高い位置に咬まれた場所をもってきましょう。(消毒と止血)
そしてできるだけ早く病院に行くことがベターだと思います。
また、犬のパワーは人間が思ってるよりすごいです。血の勢いが強いとか明らかに重傷の場合は救急車を呼んでくださいね。

飼い主の責任は?

ワンちゃんに限らず、動物が人に損害を与えた場合は民法で動物の占有者(飼い主)や占有者に代わって動物を管理している人が賠償責任を負う事が規定されているそうです。
ただ、「動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。」とも法律の条文には記載があります。
狂犬病予防接種も相当の注意に含まれるべきだよなぁと個人的には思います。(個人の意見です。法律の専門家の解釈ではないので、誤解しないようにしてください。

ちなみに賠償金は数百万に及ぶこともあり、さらには刑事罰の可能性もあるようですので、きっちり飼い主が管理をしなければ、飼い主にも動物にも嬉しくない結果が待っているということですね。

ワンちゃんを飼う際に注意したいこと

ここまで書いてきましたが、実は子供を咬んでしまうこと以外にも気をつけないといけないことはたくさんあります。
「大人を咬まないこと!」もそうなんですけど、「他のワンちゃんにけがをさせないこと」も大事です。

ワンちゃんは大変かわいいうえに賢い人間の理想的なパートナーですが、強力な武器を持っていることを飼い主さんは理解しておく必要があります。
その為、暴れん坊になってしまうと本当に手が付けられません。
飼い主でも制御ができないワンちゃんが他の人間やワンちゃんとコミュニケーションをうまく取れるか、言うまでもないことだと思います。
野生ではなく、人間の社会で一緒に生きていくために、他の犬と関係をもつために、必要な社会性を子犬のころから勉強させてあげることが大切です。

と、いろいろ言いましたが不安になることはありません。

動物の専門家はたくさんいます。
獣医師もその一人。
ワンちゃんと幸せな生活を送るためのサポートが動物病院の役目です。
もっと動物病院を身近に感じていただき、気軽にご相談いただけますと幸いです。

当院が時々実施している健康相談や、系列病院のひろせ動物病院、にしのみや動物病院などもお近くの方は是非ご活用ください。

また、当院は狂犬病予防接種率向上を目指したイベントも実施しております。